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第1691号 否定語を使わない否定表現 添削篇1

更新日:

5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1691号
否定語を使わない否定表現 添削篇1

配信日:2019年11月5日

こんにちは。
デルタプラスの湯川彰浩です。

前回のメルマガで出題した課題文はいかがでしたか?
たくさんの投稿をありがとうございました!

今回は課題文の解答を説明し、皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきますね。
 

課題文の解答・解説

先週は「否定語を使わない否定表現」というテーマで以下のような課題文を出題しました。

In light of environmentalists' view that growing emission of greenhouse gases in the atmosphere could add up to making ocean surfaces warmer, recent devastating typhoons are anything but astonishing.

長い一文ですが、主語は recent devastating typhoons で、動詞は are という単純な構造なんです。

それまでの In light of ~ warmer が前置詞句でこの部分が長くて複雑なわけですね。

 
In light of environmentalists' view は「環境論者の見解を踏まえると」という意味。

in light of ~ は「~を踏まえると;~を考慮すると」

どのような見解かを that 以下で詳しく述べています。

that 節の主語である growing emission of greenhouse gases in the atmosphere は「大気中の温室効果ガスの増加する排出」が直訳です。

そこから「大気中の温室効果ガスがますます増えると」と一文のように訳せるとよい自然ですね。

 
動詞の could add up to ~ ですが、この could は過去時制ではなく現在時制での could。
可能性を示していると考えましょう。

add up to ~ は「結局~ということになる」。

その後に making ocean surfaces warmer という動名詞句が続いていることからも、この to は不定詞ではなく前置詞扱いですね。

 
make O C「O~をの状態にする」の用法で、
O が ocean surfaces
C が warmer なので、
「海面をより暖かくすること」

となります。

 
つまり、In light of からはじまる前置詞句は

「大気中の温室効果ガスがますます増えると、結局は海面をより暖かくすることになる可能性があるという環境論者の見解を踏まえると」

となります。

 
recent devastating typhoons は「最近の破壊的な台風」。

anything but は今回のテーマと関連するところで、「決して~ではない」という意味なので、anything but astonishing は「決して驚くことではない;何も驚くことではない」となります。

 
したがって、上記の訳をつなげると、今回の全訳は以下のようになります。

【今回の課題文の和訳解答例】
「大気中の温室効果ガスがますます増えると、結局は海面をより暖かくすることになる可能性があるという環境論者の見解を踏まえると、最近の破壊的な台風は何も驚くことではない」

 

課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~

このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を添削していきます。

また今回は質問テーマとして
「あなたは何のツールでいつこのメルマガを読んでいますか?」
もあわせて回答していただいています。

【1】

縦横さん

>大気中に温室効果ガス放出の増加が海洋表面を温めることを加速する
>という環境問題専門家の見解の視点から考慮すると、
>最近の破壊的な台風は決して驚くべきことではない。

「大気中に温室効果ガス放出の増加」の和訳が少し不自然ですね。

in the atmosphere は前置詞 in が使われているので、「大気中における」という意味です。

making ocean surfaces warmer は make O C「O~をの状態にする」の用法なので、「海面をより暖かくする」となります。
比較級 warmer であることも意識しましょう。

>自室のパソコンでゆっくり読ませてもらって勉強しています。

メルマガをじっくり読んでくださりありがとうございます。
こういうリアルな感想は本当にうれしいですね。

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【2】

バンビさん

>増え続ける大気へのビニールハウスのガスの放出が海水の表面温度の
>上昇を促す可能性があると言う環境主義者の視点からすると、
>最近の破壊的な台風は驚くべきものではない。

greenhouse gas は「温室効果ガス」もしくは「グリーンハウスガス」という意味。

地球温暖化に伴って最近かなりhotな単語なので、ぜひとも覚えておいてください。

また、growing emission of greenhouse gases in the atmosphere を一文のように工夫して訳せると、もっと読みやすくなりますよ。

>10月の台風の来たときにちょうど実家の大阪にいたのですが、
>大阪は全く何もなかったのに他の地域では大雨で川が
>氾濫したりしているのをテレビでみてとても驚きました。
>子供のころは台風が来たら学校が休みになって喜んでいたのに、
>最近の台風はそんな規模ではなくなってきていると思いました。
>寒くなってきたので家に帰れない方々が温かく過ごせるよう
>政府にはちゃんと対応してほしいです。

確かに。子どもの頃はこれほど台風が恐ろしいものではなく、学校が休みになればラッキーくらいでしたよね。
あと、台風の数がもっと少なかったような気がします。

-------------

【3】

さらりさん

>大気中の温室効果ガス排出量増大が、海洋面をより温めることになる
>という環境問題研究家の見解からすると、最近の壊滅的な台風は、
>決して驚くものではない。

全体の構造は読めています。
そこからさらに細部を詰めていきましょう。

例えば could の可能性のニュアンスが訳せていませんし、add up to ~ の「結局~ということになる」も反映してほしいところです。

>主に、帰宅後ノートパソコンで読んでます。

今回意外にパソコン派が多くを占めました。
和訳を投稿するとなると、じっくり考えるからパソコンが多いのでしょうか。

-------------

【4】

mizさん

>大気での温暖効果ガスの増進する排出が海洋水面温暖化に促すかもしれない
>という環境保全主義者の視点からすると、最近の破壊的な台風は
>決して驚くことではない。

「増進する排出」というところが若干引っかかりますね。

「ますます増える排出」くらいにすると growing のニュアンスをうまく表現できるでしょう。

could を現在の推量として解釈したのはきちんと意識できていてGOOD!!

>朝一番にパソコンのメールで読んでいます。
>頭の体操を兼ねて、一番に処理します。

特に課題文は頭の良い体操になるのではないでしょうか?
私は課題文をいつも「ひーひー」言いながら作ってます(笑)。

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ということでまだ紹介できていない分も含めて、木曜日発行の【添削篇2】で引き続き添削していきますね!

また、メルマガ誌面とは別に公式Twitterでも間違いをシェアできそうな投稿には添削指導をしています。

あなたの投稿が添削されるかもしれないので、Twitterをフォローしてくださいね!!

 

編集後記

沖縄のシンボルとも言える首里城の正殿がほぼ全焼したというニュースはとてもショッキングでしたね。

実は沖縄本島には大学生の頃に行ってまして、ただ、首里城はいつでも行けるだろうからってことで、観光しなかったんです。

今思うとなぜその時にちゃんと訪れておかなかったのか……。

当たり前のようにあるものって実は当たり前ではないってことに気づかされます。

消失した資料も含めて貴重なものばかり。
文化財の損失ははかりしれませんね。

まだ原因はわかっていませんが、自然発火なのか、それとも放火なのか、徹底究明してほしいと思います。

 
次は11月7日(木)の【添削篇2】でお会いしましょう。

 

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