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第1727号 まぎらわしい比較表現の覚え方 添削篇1

投稿日:

5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1727号
まぎらわしい比較表現の覚え方 添削篇1

配信日:2020年3月23日

こんにちは。
デルタプラスの湯川彰浩です。

前回のメルマガで出題した課題文はいかがでしたか?
たくさんの投稿をありがとうございました!

今回は課題文の解答を説明し、皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきますね。

 

課題文の解答・解説

先週は「まぎらわしい比較表現の覚え方」というテーマで以下のような課題文を出題しました。

In the world, not less than millions of people dedicate themselves to charitable giving based on cause of altruism, providing our society with increased stability and opportunity.

not less than millions of people が英文の主語に当たります。

not less than「少なくとも」という表現がくっついていることに注目してください。

「少なくとも何百万人もの人々が」

となります。

 
dedicate oneself to ~ は「~に専念する;~に打ち込む」という意味。

charitable giving は「慈善事業への寄付」。

based on cause of altruism は based on ~ が「~に基づいて」、altruism は「利他主義」という意味です。

cause が訳しづらかったのではないでしょうか?

「原因」と訳すと、前後と意味がつながりません。

ということは別の訳語を考えないといけません。

この場合は「大義」となります。
cause に「大義」という意味があるなんて知らなかった人も多いのでは?

「利他主義の大義に基づいて」

となります。

 
providing our society with increased stability and opportunity は providing の前にコンマがあるので、付帯状況の分詞構文です。

付帯状況の分詞構文は接続詞の and を補って考えるようにします。

つまり

and provide our society with increased ~

と書き換えればいいわけです!

 
provide A with B は「AにBを与える」という意味。

この increased は stability と opportunity の両方にかかっています。

「増加した安定性と機会」ではぎこちないので「ますますの安定性と機会」と訳すといいでしょう。

 
したがって、上記の訳をつなげると、今回の全訳は以下のようになります。

【今回の課題文の和訳解答例】
「世界では、少なくとも何百万人もの人々が、利他主義の大義に基づいて、慈善事業への寄付に専念しており、私たちの社会にますますの安定性と機会を与えてくれている」

 

課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~

このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を添削していきます。

また今回は質問テーマとして
「今年の東京オリンピックはどうなると思いますか?」
もあわせて回答していただいています。

【1】

すうなさん

>世界には、百万もの人が安定や機会の増加といった社会を
>創造する利他主義に基づく行いを己れに課す。

providing our society ~ の部分は付帯状況の分詞構文になります。

and を補って、and provide our society ~ と捉えてくださいね。

文中で分詞の前にコンマがある場合はたいてい付帯状況の分詞構文です。

>日本のコロナ対応をみると、金融・財政両政策が先進各国と
>比較して対応が遅いことを理由に、
>「延期」もかなり遅い発表になるかもと思います。

オリンピック延期を発表すると株価にさらに影響しそうですし、したくてもできないのかも!?

最終的な発表はいつになるのでしょうね。

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【2】

ぽこあぽこさん

>世界では、少なくとも何百万という人々が利他主義に基づく
>慈善的寄付の活動に専念しています、そしてその事は私たちの社会に、
>より一層の安定性と好機を提供しています。

cause の意味が訳出できていないですよ。
「大義」という意味になります。

また、分詞構文 providing our society の主語は not less than millions of people になるので、「その事は」と補わなくていいでしょう。

>こんな時はこの翻訳をしていると、
>いやなこと忘れて取り組めて幸せです。

いつもの当たり前の日常がありがたく思えますよね。
早く収束してほしいものです。

-------------

【3】

0さん

>世界では、何百万人もの人々が利他主義の運動に基づいて
>慈善寄付に専念し、社会に安定性と機会を提供している。

文全体の構文はきちんと捉えて丁寧に訳せていますね。

cause の訳だけ惜しかったです。
この場合は「大義」という訳語を選びましょう。
「運動」という意味ではありません。

-------------

【4】

ねことまったりさん

>世界中の、少なくとも何百万人もの人達は、我々の社会に
>安定性と機会の増加を提供する為に、利他主義に基づく
>慈善寄付を自分自身に課している。

「安定性と機会の増加」だと少し不自然なので、「ますますの安定性と機会」としてはどうでしょうか?

また、「提供する為に」とされていますが、ここは目的を表しているわけではありませんよ。
付帯状況の分詞構文になります。

>開催したとしても各国の多くの選手が参加しないように思うので、
>開催されないのでは?と思います。

選手からしたら、参加したくても恐くてできないですよね。
アスリートファーストで考えてほしいものです。

------------

ということでまだ紹介できていない分も含めて、木曜日発行の【添削篇2】で引き続き添削していきますね!

また、メルマガ誌面とは別に公式Twitterでも間違いをシェアできそうな投稿には添削指導をしています。

あなたの投稿が添削されるかもしれないので、Twitterをフォローしてくださいね!!

 

編集後記

週末は新刊の書店営業で関西に出張に行ってきました。

4月に新刊『教養としての心理学101』が出ることはもう決まっていたことなので、
今さら延期というわけにはいきません。

 
全国の書店にも先月には告知していますし、印刷所さんもそのスケジュールに合わせて動いてくれています。

というわけで、こういう状況下ですが、無理のない範囲で進めるしかありません。

 
マスクをつけて、飲み物も持参して、新幹線は混雑しそうな時間帯を避けて乗るようにしました。

とはいえ、週末にしては空いていて旅行者の数が如実に減っているんだなぁと。

 
ガラガラの新幹線は快適なんですけど、やっぱり違和感。

早くいつもの日常が戻ってほしいですね。

 
次は3月26日(木)の【添削篇2】でお会いしましょう。

 

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