5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1677号
全体否定と部分否定の違いとは? 解説篇
配信日:2019年9月17日
3連休はいかがお過ごしでしたか?
先週はちょうど仲秋の名月でした。
東京はあいにく曇っていたのですが、少しの間、雲の谷間から、きれいな月が見えましたよ。
これでお団子があれば、最高だったんですけどね。
それではメルマガ本編に行ってみましょう!
全体否定と部分否定の違いとは?
今回は「全体否定」と「部分否定」について見ていきましょう。
「全体否定」は「完全否定」や「全否定」と言われることもあります。
全体否定はその名のとおり、全体を否定する表現で「すべて~ではない」という意味になります。
次の英文で全体否定の用法を確認しましょう。
none は「誰も~ない;何も~ない」という意味で、この語句がつくと、全体否定になります。
None of the employees could …
なので、ここに None の全体否定の意味がかかっているとなると、
「従業員は誰も…できなかった」
というのが訳の骨格になります。
have access to the Internet は「インターネットに接続する」ということ。
due to a sudden blackout は due to ~ は「~が原因で;~のせいで」という意味なので、「突然の停電のせいで」となります。
つまり全訳は以下のようになります。
「突然の停電のせいで従業員は誰もインターネットに接続できなかった」
もちろん、ポイントとなるのは None です。
全体否定の意味になるので、None of がかかる the employees を否定し、
「どの従業員も…ない;すべての従業員が…ない」
というニュアンスを表現しています。
他にも全体否定を表す組み合わせとしては、not ~ any、not ~ either、neither といったものが代表的です。
any「いくつかの」や either「どちらか一方」は全体を表す語句ではありませんが、not とセットになると全体を否定するという点に注意してください。
次に部分否定を見ていきましょう。
部分否定とは、その名の通り「部分的に否定する」ということです。
全体否定は「すべて…ではない」と訳しましたが、部分否定は「すべて…というわけではない」と訳します。
実は訳し方については微妙な違いしかありません。
ただ、語尾に「~というわけではない」と付くことで、「すべてではないけど、中にはそうするものもある」と部分的に否定する感じを出すことができます。
次の英文を過去形にしてみましょう
not と all が一緒に用いられると、「すべて~というわけではない」という部分否定になります。
あとは先ほどの英文と同じなので、全訳は以下のようになります。
「突然の停電のせいで、すべての従業員がインターネットに接続できたというわけではない」
「すべての従業員がインターネットに接続できたというわけではない」
ということは、
「中にはインターネットに接続できている従業員もいた」
ということですよね?
これが「従業員すべてが…なかった」なら全体否定となりますが、「従業員すべてが…というわけではなかった」とすると部分否定になるという理屈になります。
語尾のちょっとした違いですが、意味が変わってくることを意識してください。
また、部分否定は引っかかりやすいのも特徴です。
部分否定を表す組み合わせとしては、not ~ every、not ~ both といったものがあります。
こうした組み合わせをみると
「すべて…ない」「両方とも…ない」
と全体否定のように訳したくなりますが、
「すべて…というわけではない」
「両方とも…というわけではない」
という部分否定になることを覚えておきましょう!!
次回の【解説篇2】では今回のテーマを踏まえた課題文を出題し、和訳投稿も受け付けますので、楽しみにしていてください。
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次は9月19日(木)発行の【解説篇2】でお会いしましょう!
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