5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1703号
過去分詞ではじまる分詞構文 添削篇1
配信日:2019年12月16日
こんにちは。
デルタプラスの湯川彰浩です。
今年の和訳メルマガはあと2回のみ!!
いよいよラストスパートということで、執筆もより気合い入っています!!
…いつもは手を抜いているというわけでは決してないですからね(笑)。
さて、前回のメルマガで出題した課題文はいかがでしたか?
たくさんの投稿をありがとうございました!
今回は課題文の解答を説明し、皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきますね。
課題文の解答・解説
先週は「過去分詞ではじまる分詞構文」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
分詞構文は Shown to provoke ~ excessively となります。
過去分詞で始まっているので、本来はこの前に Being があるけど省略されているのだろうと推測してください。
つまり、
Being shown to provoke the incessant release ~
となります。
省略されている主語は主節と同じく multitasking です。
さらに、時制は現在形なので、
Multitasking is shown to provoke the incessant release ~
となるわけです。
もしくは過去形と判断して、
Multitasking was shown to provoke the incessant release ~
でもいいでしょう。
multitasking は「一度に複数の仕事をこなすこと」、もしくは、最近よく耳にする「マルチタスク」と訳してもいいでしょう。
is shown to … は受動態なので「…ということが示されている;…ということがわかっている」となります。
provoke the incessant release of neurotransmitters は provoke が「~を引き起こす」。
the incessant release of neurotransmitters は「神経伝達物質の絶え間ない放出」となりますが、ごりごりの名詞構文なので、
「神経伝達物質が絶え間なく放出する」
と一文のように工夫してもいいでしょう。
including stress hormones は neurotransmitters の例示をしていて「ストレスホルモンなどの」ということ。
続く and は stimulate という動詞の原形が続くことから、provoke と並列関係を示す接続詞になります。
Multitasking is shown to provoke ~ and (to) stimulate …
と stimulate の前にも to を補うと文構造が見えてきましたよね!
stimulate our brain excessively は「私たちの脳を過度に刺激する」という意味。
次に主節を見ていきましょう。
has stirred controversy は現在完了の継続用法になっていることに注意して「(これまで)議論を引き起こしてきた」と訳してください。
さて、分詞構文の和訳は
「一度に複数の仕事をこなすことは、ストレスホルモンなどの神経伝達物質が絶え間なく放出するようにし、私たちの脳を過度に刺激することがわかっている」
そして主節の和訳は
「科学者の間でこれまで議論を引き起こしてきた」
となりますので、2つの節を結ぶ接続詞は理由を示す As が適当だと推測できますよね?
つまり、今回の分詞構文を本来の形に書き換えると、
As multitasking is shown to provoke the incessant release of neurotransmitters including stress hormones and stimulate our brain excessively, multitasking has stirred controversy among scientists.
となるわけです。
したがって、上記の訳をつなげると、今回の全訳は以下のようになります。
【今回の課題文の和訳解答例】
「一度に複数の仕事をこなすことは、ストレスホルモンなどの神経伝達物質が絶え間なく放出するようにし、私たちの脳を過度に刺激することがわかっているので、科学者の間でこれまで議論を引き起こしてきた」
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を添削していきます。
また今回は質問テーマとして
「あなたは年末年始をどのように過ごす予定ですか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
みきさん
>ストレスホルモンや脳を過度に刺激する物質などの神経伝達物質が
>絶え間ない放出を引き起こすことが示されたので、
>マルチタスクは科学者の間に論争を巻き起こしました。
この和訳だと分詞構文に省略されている主語 multitasking を補って訳せていないことになります。
Shown to の主語に当たるのは multitasking です。
「マルチタスクは~を引き起こすことが示されたので」
とする必要がありますね。
>大掃除(やりたくない)して、お節料理のまねごとを作って、
>初詣に行って、ゆっくりテレビをみる。日本のお正月ですね。
大掃除……面倒ですよね。
というわけで、私は昨日から小分けにして大掃除をやり始めています。
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【2】
縦横さん
>ストレス・ホルモンを含有し、かつ我々の脳を過度に刺激している
>神経伝達物質の絶え間ない放出を引き起こすことが示されている
>マルチタスキングは科学者間で論争を引き起こした。
including 以下の and stimulate our brain excessively も含めて neurotransmitters にかかるように訳していますが
Multitasking is shown to provoke ~ and (to) stimulate …
という構造です。
この and が結ぶのは、provoke と stimulate という2つの動詞ですからね。
文構造を見直しておいてくださいね!!
>外出の予定がないので訪れた客と楽しく過ごしたいと思っています。
お正月はゆっくりされるんですね!
混んでいるところより、暖かい部屋でのんびりがいいかも。
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【3】
Diamond Blueさん
>マルチタスキングはストレスホルモンを含む神経伝達物質の絶え間ない
>放出を引き起こし、過度に脳を刺激することが証明されたので、
>マルチタスキングは科学者の間での論議をかもしだしている。
has stirred controversy は現在完了なので、そのニュアンスを和訳に反映させたいですね。
また、「論議をかもしだす」というよりは「論議を引き起こす」という表現の方が自然なので、
「論議を引き起こしてきた」
とするとよいでしょう。
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【4】
まよまよさん
>ストレスホルモンや過度な脳内刺激物質を含む神経物質の生成が
>絶え間なく引き起こされていることが見られたので、
>同時に複数のタスクをこなすことは科学者の論争を引き起こした。
Shown to の訳し方ですが、ここは Being shown to … ということで、「…ということが示される」もしくは「…ということが明らかになる」が適当でしょう。
「見られた」よりは「示された」と訳した方が、show のニュアンスにより忠実です。
>寝て呑んで食べて…寝て呑んで食べて…寝て呑んで食べて…
>の無限ループをしたいです。
>仕事始めが嫌になりそうですが(;_;)
ふふふ、そのループ最高ですね。
正月くらいは面倒なことは何もしない日々をまったりと送ってください。
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ということでまだ紹介できていない分も含めて、木曜日発行の【添削篇2】で引き続き添削していきますね!
また、メルマガ誌面とは別に公式Twitterでも間違いをシェアできそうな投稿には添削指導をしています。
あなたの投稿が添削されるかもしれないので、Twitterをフォローしてくださいね!!
編集後記
ようやく風邪がおさまってきました。
今回も2週間くらい風邪っぴきで、しかも喉が痛いだけという、何とも地味なつらさが続くという……。
空気が乾燥しているこの季節。
こたつで寝るのは厳禁ということですね。
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次は12月19日(木)の【添削篇2】でお会いしましょう。
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