5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1636号
複数の指示語を含む英文の訳し方 添削篇2
配信日:2019年4月11日
4月は一年の中で、添削講座のお申し込みが最も多い時期なんです。
なぜなら、大学院秋入試のちょうど半年前で、受験生が一斉に動き出す時だから。
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先月も募集枠すべて埋まった人気講座です。
それでは前回に引き続き、今回もこの課題文に関して、皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきます。
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を前回に引き続き添削していきます。
先週は「複数の指示語を含む英文の訳し方」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
また今回は質問テーマとして
「『令和』という新元号にどんな印象を受けましたか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
リアルカンテイさん
>新しい物質の発見で最初のものが火星に存在したことが明らかになり、
>そのことが火星に生物が存在したことをより確かなものにした。
stand out は「際立つ」という意味で、one は material を受けています。
前置詞 as は「~として」という意味なので、as the first one located on Mars は
「火星で見つけられた最初の物質として」
となります。
>外国政府に英語で説明する際は「Beautiful Harmony=美しい調和」とするそうです。
>響きもいいし、美しい調和の実現する世になってほしいです。
こういう時代だからこそ「和」が求められているんでしょうね。
多様性に伴う個性は認められつつも、みんなが協力し合い、支え合う時代になればと思います。
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【2】
guguさん
>火星は新しい資源の発見と位置づけされ、
>また、火星はより生命の存在が有望とされていた。
文構造をきちんと把握することからはじめていきましょう。
As は理由を示す接続詞で「…なので」という意味。
その As 節の主語は the discovery of new material、動詞は stood out となります。
主節の make は make O C「O~をの状態にする」の用法で
O = the existence of life on it
C = more probable
となります。
>平安の文献から引用されたとの事で、それについては調べてないのですが、
>少し冷たい響きと印象と、字面から令知と間違えるのと、
>キラキラネームが流行ったのりを感じます。
>もっと、重厚な感じが良かった。
ちゃんと読めるので、私はキラキラ感は覚えませんでしたが、重厚なのが好きという人もいらっしゃるでしょうね。
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【3】
keihiroさん
>その新しい物質の発見は、火星にある最初のものとして、際立っていたので、
>その物質に生命が存在することをより可能性の高いものにした。
主節の主語の it を訳出できると better な訳になります。
it は the discovery of new material を受けています。
「その物質の発見が~をより可能性のあるものとした」
というのが直訳になります。
もし余力があれば、無生物主語構文であることを意識して、もう一工夫加えてみてください。
>その音からは、「平和」や「麗和」という言葉を連想しました。
>「令」は、命「令」や巧言「令」色鮮し仁など、
>プラスの印象はありませんでしたが、美しい」という
>意味があるのは全く知らず、不勉強を感じてしまいました。
私も「良い」とか「美しい」とかいう意味があるということを知りませんでした。
「大宝律令」などにも用いられている字なので、マイナスなイメージもありませんでしたけどね!
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【4】
hanaさん
>新しい物質の発見が火星にある最初の物質として優れていたので、
>生命の存在をより可能にさせた。
後半の主節の主語の it は the discovery of new material を受けるので、「その発見は」としましょう。
ただ、「その発見は~をより可能性のあるものにした」では少し不自然なので、無生物主語を意識して、
「新しい物質の発見によって~はより可能性のあるものとなった」
とするとより自然です。
>音の響きがかっこいいなと思いました。
>候補の中の「万和」も気になりました。
確か読み方は「ばんな」でしたっけ?
重厚感はありますが、いきなり濁音はじまりだと、ちょっと読みにくいかもしれませんね。
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【5】
バンビさん
>火星における最初の物質として目立っていたその新しい素材の発見が、
>まさに火星に生命体が存在する可能性を高めた。
前半の訳が「~していた新しい素材の発見が」となっていることから、stood out as the first one located on Mars が the discovery of new material にかかる分詞句と勘違いされたのでは?
それだと、冒頭の接続詞 As が訳せませんよね?
ここは節ですから、主語と動詞を意識して訳しましょう。
>今回の課題は指示語を正確に理解していないと
>ちゃんとした訳にならず、難しかったです。
>4月から勤務先の事務所が引越しをして自転車で通える距離になり、
>早朝のチャリ通勤を楽しんでいます。適度な運動にもなるので嬉しいです。
>湯川先生もお元気で春の日々をお過ごしください。
自転車通勤いいですね!
春のぽかぽか陽気の中、気持ちよく出勤できそうです。
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今回の添削指導はいかがでしたか?
メルマガで紹介しきれなかった投稿は、
十分に出来のよいものであったり、
他の方と同じような間違いをしているものです。
よくある間違いや工夫した訳し方を共有することで、
次回に生かすようにしましょうね。
公式ツイッターでは、今回の投稿和訳で間違いをシェアできそうなものを添削指導しています。
*SDATA1*さんの投稿が添削されるかもしれないので、ツイッターをフォローしてくださいね。
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今回の秀作 ~この和訳投稿が今回のNo.1~
今回もたくさんの和訳投稿をありがとうございました!!
その中から編集部が厳選したNo.1の和訳投稿はこちらです。
高嶺さん
>新しい成分の発見が、火星で初めて存在が確認されたものとして注目されており、
>そのことで、まさに、火星に生命が存在する可能性が高まった。
material の訳が少し気になるものの、did という強調表現を意識して、「まさに」と補えていますね!
さらに、無生物主語構文を意識して和訳を工夫しようとしている姿勢に感心しました。
特に今回は強調の did の訳が抜けている投稿が多かった中での力作でしょう。
初投稿ながら、よくがんばりましたね!
ということで、今回のNo.1に選ばせていただきます。
おめでとうございます!!
それでは来週も皆さんからの、力の入った投稿和訳をお待ちしています。
編集後記
紙幣のデザインが刷新されるようですね。
偽造防止のために20年に一度はデザインを変えているらしく……
「えっ、今のデザインになってからもう20年近く経つの?」
というのが正直な感想。
野口英世と樋口一葉になってからそんな過ぎましたっけ??
そっちの方に驚きです。
そして1万円の福沢諭吉が渋沢栄一になるんですね。
これに慣れるのが一番時間かかりそう。
一万円といえば諭吉さんのイメージが強すぎて…。
しかも文化人ではなく経済人からの起用ってのも
ここ最近では珍しい傾向ですよね。
令和の時代になるから、このタイミングで
お札も新しくってのもいいかもしれませんね。
次は4月15日(月)の【解説篇】でお会いしましょう。
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