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第1637号 関係代名詞は指示語なのか? 解説篇

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5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1637号
関係代名詞は指示語なのか? 解説篇

配信日:2019年4月15日

先週後半は冬のような寒さに逆戻りして、花冷えどころか、本格的に冷えましたね。

山沿いでは雪が降ったところもあるようで、桜に雪が積もるという、もう何が何だか分からないことに。

むしろ、一周回ってすごい風流な景色だなぁとも思えます(笑)。

これがおそらく最後の寒の戻り。
ここからがようやく春本番ですね!

それではメルマガ本編に行ってみましょう!

 

関係代名詞は指示語なのか?

ここ最近ずっと指示語について見てきましたが、実は関係詞も指示語と見なすこともできます。

who は人を受けますし、which はモノや内容を受けますよね?

つまり、who や which の前に「先行詞」があって、関係詞は先行詞を受けるわけですから、指示語の仲間と言えるわけです。

 

次の例文で確認してみましょう。

That is a boy whom I have often seen on TV dramas lately.

「あれはテレビドラマで最近よく見かける少年である」

 

関係代名詞 whom は先行詞 a boy を受けています。

whom なので関係代名詞節の中で目的語の役割をしていることになります。

つまり、

I have often seen (a boy) on TV dramas lately

の (a boy) を whom が表しているわけですね!

というわけで、whom も立派な指示語です。

 
それでは次の英文はどのように考えればいいでしょうか?

 

次の例文で確認してみましょう。

Children trained too strictly by their parents tend to feel unconfident, which shows that parental discipline is an important factor in forming their personality.

 
関係代名詞の which の前にはコンマがあるので非制限用法ですね。

which の前までを見ると、trained too strictly by their parents が Children にかかっています。

tend to … は「…する傾向がある;…しがちである」
feel unconfident は「自信がないと感じる」という意味。

したがって

「親に過度に厳しくしつけられた子どもは自信がないと感じる傾向にある」

となります。

 
そして which は関係代名詞節の主語の役割をしています。

shows that parental discipline ~ personality は

「親のしつけが子どものパーソナリティを形成する上で重要な要素である
ということを示す」

となります。

 
では which は指示語として何を受けているかというと、それまでの Children trained … unconfident の内容を受けていることになります。

内容を受けているので、「そのこと;その事実」くらいの訳語を当てておくといいでしょう。

 
「そのことは親のしつけが子どものパーソナリティを形成する上で重要な要素であるということを示す」

となりますが、which が内容を受けていることから無生物主語構文なので、

「そのことから、親のしつけが子どものパーソナリティを形成する上で重要な要素であるということが示されている」

とすると、より自然です。

 
このように、関係代名詞の which にはそれまでの内容を受けるというミラクル技があります。

特に , which のように which の前にコンマが打たれる非制限用法の際にこの用法になることが多いですよ。

慣れるまで捉え方、訳し方が難しい用法ですが、絶対に覚えておいてくださいね!!

 
ちなみに、この英文は私の書籍『大学院入試の英文法』の関係代名詞の項目で紹介している英文をアレンジしたもの。

書籍ではさらに実践的な英文で解説していますので、あわせて読んでおくと、理解度がさらにアップしますよ!!

大学院の秋入試に向けての基礎固めに最適な一冊です!!

 
次回の【解説篇2】で宿題の詳しい解説を行います。
さらに今回のテーマを踏まえた課題文も出題し、和訳投稿も受け付けますので、楽しみにしていてください。
 

編集後記

週末は九州の方に旅行に行ってきました。

書籍が出てからずっとバタバタしていてまとまったお休みがなかったのと、ここから秋入試に向けてまた忙しくなるので、

「旅行に行くなら、今しかない!」

ということで、10年ぶりの九州です。

 
大分では別府に行って温泉につかり、福岡では本場のもつ鍋やラーメンを堪能しました。

別府は初めてだったのですが、自然豊かで、ご飯も美味しく、たくさんの温泉が楽しめるので、心身ともにリフレッシュできました!

 
さらに、福岡から長崎に移動し、ずっと行きたかった明治日本の産業革命遺産の1つである軍艦島に!

炭鉱と廃墟の圧巻の景色とその歴史の重みは本当に見る価値のあるもの。

また行くのが10年後ということにならないように、仕事でも行く機会を作れたならと思います。

 
次は4月18日(木)発行の【解説篇2】でお会いしましょう!
 

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