5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1672号
挿入句の正しい和訳の仕方 添削篇2
配信日:2019年8月29日
8月もあと数日で終わり。
今月は大学院の秋入試前で答案の添削指導のピークでした。
……が、いつもよりは急ぎの案件も少なく、計画通りに進められた気がします。
いつもこうだったらいいんですけどね!
それでは前回に引き続き、今回もこの課題文に関して
皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきます。
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を前回に引き続き添削していきます。
先週は「挿入句の正しい和訳の仕方」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
また今回は質問テーマとして
「あなたは超能力や不思議な力を信じていますか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
Diamond Blueさん
>私たちは給料や地位と同様に職場環境も考慮した方がいい。
>実際のところ同僚とのより良い人間関係を確立することで
>従業員の意欲の向上やストレスの減少などの見返りが得られるものである。
助動詞 should を「…した方がいい」と訳されていますが、should をそのように訳すことはあまりないです。
「…すべきである」と義務の意味か、「…だろう;…のはずである」と推量の意味になることがほとんどです。
should の意味を整理しておきましょう。
>以前、同じ職場で人の未来が見えたり、UFOと交信できるという
>同僚がいました。その人は別の同僚が結婚することを予測して、
>その後、現実になったので驚いた記憶があります。
たまにUFOと交信できる人いたりしますよね。
そのUFOすら一度も見たことないのですが…。
もう少し夜空を見上げてみますか(笑)。
-------------
【2】
KAKIKEKOさん
>私たちは職場環境を給与や職位と同様に考慮にいれるべきと考えている。
>同僚とのよりよい関係を構築することが、実際のところ、
>モチベーションの向上や労働者のストレスの軽減を含んだ報酬と同様の効果となる。
as a matter of fact は挿入句なので、できれば、第2文の冒頭にもってきて訳してください。
また、第2文は動詞が gives、目的語が payoffs なので、「見返りを与える」となります。
どのような見返りかが including 以下で詳しく書かれているわけですね。
この構造を踏まえて訳し直してください。
>基本的に信じてないですが、子供のころ、池に落ちそうになったとき、
>体がふわっと浮く感覚で助かったことがあります。
>あのときの不思議な感覚は忘れられないです。
何かが助けてくれたのでしょうか。
ふわっと浮く体験……
僕は残念ながらしたことないなぁ。
-------------
【3】
かさたまさん
>我々は給料や地位だけでなく、職場環境も考慮すべきである。
>実際、同僚とよりよい関係を築くことは、従業員のモチベーションの
>増加やストレスの減少といった結果をもたらす。
第2文ですが、
Establishing better relationships with colleagues
という無生物主語なので、
「同僚とよりよい関係を築くことで~」
と主語を副詞句的に訳してみてください。
そうすると、より自然な和訳を導けますよ。
-------------
【4】
ねことまったりさん
>私達は、給料や職位と同様に仕事場の環境を受け入れるべきである。
>実際のところ、同僚とより良い関係を築くことで、
>モチベーションの向上や雇用者のストレス削減の効果を生む。
この allow for ~ は「~を考慮する」の意味。
また、allow for は including 以下の具体例を考えると、「見返り」と訳すといいでしょう。
「効果」だと effect がまずは思い浮かびます。
>信じます!
>4月頃に、知人から九字を使った結界の張り方を教えて貰いました。
>今では、洗濯物を干しているときに雷が来ると結界を張り、
>豪雨を追いやってます。
結界をはれるなんてすごい!
最近の惨事のニュースを見ていると、運を引き寄せるより、不運を寄せ付けない、つまり、危ない目に遭遇しないためにはどうすべきかにもう少し注力した方がいい気もしますね。
すごく初歩的なことですが、危ない場所には近づかない、赤信号は絶対わたらないなど。
-------------
【5】
ハリマウさん
>私達は、給料や役職と同様に職場環境を与えるべきだ。
>同僚との良い関係を構築させると同じように、
>仕事に対してのモチベーションが上がり、従業員のストレスも低減する。
allow for ~ を調べてみましょう。
「~を与える」という意味はないはず。
この場合は、「~を考慮する」という意味です。
また、「同僚との良い関係を構築させると同じように」の日本語が不自然ですね。
as a matter of fact は「同じように」ではなく、「実際に;実際のところ」という意味ですよ。
-------------
今回の添削指導はいかがでしたか?
メルマガで紹介しきれなかった投稿は、
十分に出来のよいものであったり、
他の方と同じような間違いをしているものです。
よくある間違いや工夫した訳し方を共有することで、
次回に生かすようにしましょうね。
公式ツイッターでは、今回の投稿和訳で間違いをシェアできそうなものを添削指導しています。
*SDATA1*さんの投稿が添削されるかもしれないので、ツイッターをフォローしてくださいね。
デルタプラス公式LINEでは和訳のヒントを配信中。
今回の秀作 ~この和訳投稿が今回のNo.1~
今回もたくさんの和訳投稿をありがとうございました!!
その中から編集部が厳選したNo.1の和訳投稿はこちらです。
しゃんたくさん
>私たちは職場環境だけでなく、給与と地位も考慮すべきです。
>実際、同僚とのより良い関係を築くことで、従業員のやる気の高まりや
>ストレスの軽減などの見返りが得られます。
構文をきちんと捉えて、各語句も正しく訳せています。
さらに、第2文の無生物主語を意識して
「同僚とのより良い関係を築くことで」
と工夫して訳せていますね!
完成度の高い和訳だと思います。
ということで、今回のNo.1に選ばせていただきます。
おめでとうございます!!
それでは次回も皆さんからの、力の入った投稿和訳をお待ちしています。
編集後記
九州地方の大雨がすごいことになっています。
福岡、佐賀、長崎と避難警告が出ていて、まさに4月に私が旅行で回ったルートだなと。
あんなに思い出深い旅先の地が数ヶ月後には浸水しているというのが、ちょっとまだ信じられません。
落ち着いたらまた九州に行きたいです。
食べ物もおいしいですし、観光名所もたくさんあります。
数日ではとても回り切れない!
長崎も1日滞在では足りなかったです。
それくらい魅力触れる土地です。
一日も早い回復を願っています。
次は9月2日(月)の【解説篇】でお会いしましょう。
あなたも英語和訳メルマガに投稿して添削指導を受けてみませんか?
英文法の知識を生かした英文和訳に焦点を当てた無料メルマガ「5分でマスター!採点官ウケする英語和訳のノウハウ」です。
月曜日と木曜日の週2回配信で、毎回1つのテーマに関する英文法や語法を解説し、読者からの和訳投稿を受け付け、添削指導してメルマガで解説しています。
あなたからの力の入った和訳の投稿をお待ちしております。
英語学習、英検・TOEICなどの英語資格対策、大学院入試の受験対策、大学編入試験対策などにお役立てください。
メルマガの登録は下記フォームにお名前とメールアドレスをご入力ください。
記入していただいたアドレスあてに、メルマガを配信させていただきます。
※Hotmail はメールが届かないことがあるため登録をお勧めしておりません。フリーメールをお使いの場合は Gmail もしくは Yahoo Mail のご利用を推奨いたします。
大学院入試の英語対策にはプロによる添削指導が一番効果的です!!
長文英語の読解力と和訳力が求められる大学院入試の対策には、プロの添削指導を受けるのが一番。
『大学院英語 入試対策講座』では、毎年多くの受講者が難関大学院の合格を決めています。
なぜこれほど高い合格率を誇るのか?
その秘密は、過去問を分析して制作された教材テキストと、これまで10,000枚以上もの答案を添削指導してきたノウハウにあります。
この英語和訳メルマガよりさらに詳しい添削指導で、減点につながる弱点や癖が手に取るようにわかるんです。
講座でがんばって勉強したことが確実に力となり、前より成長を実感できるから、自信もつきます。
自分一人だけでは乗り切れないことも、講座のサポートがあれば、入試まで完走できますよ。
独学を卒業して、講座で一緒に大学院合格に向けて頑張りましょう!!