5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1683号
副詞が一緒に使われる部分否定 添削篇1
配信日:2019年10月7日
こんにちは。
デルタプラスの湯川彰浩です。
前回のメルマガで出題した課題文はいかがでしたか?
たくさんの投稿をありがとうございました!
今回は課題文の解答を説明し、皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきますね。
全体否定と部分否定の違いとは?
先週は「副詞が一緒に使われる部分否定」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
全体の文構造から見ていきましょう。
Although からはじまる副詞節が Although ~ animal kingdom までとなります。
そして主節は it did … possible です。
副詞節は not necessarily が部分否定なので、
「必ずしも…というわけではない」
と訳しましょう。
ここは今回の学習テーマなので、絶対間違えたくない箇所ですね。
explicit evidence of a new species は「新種の明らかな証拠」という意味。
animal kingdom は「動物王国」ではなく「動物界」という意味になります。
「~界」というニュアンスが kingdom にはあるんです。
というわけで、副詞節の和訳は以下のようになります。
「その科学者の発見は必ずしも動物界における新種の明らかな証拠になったわけではないが」
次に主節を見ていきましょう。
主語の it は the scientist's discovery を受けています。
did は直後の動詞 make を強調する役割です。
did がここで使われているから、その後の動詞が made ではなく make になっているのです。
この make は make O C で「Oを~の状態にする」の意味。
Oに当てはまるのは、the existence of unknown primate species in the pristine jungle
Cに当てはまるのは、possible
という構造を読めないと、正しい和訳は導けません。
the existence of unknown primate species は「未知の霊長類種の存在」。
in the pristine jungle は「その原生林のジャングルで」。
make O C に当てはめて直訳すると
「その原生林のジャングルでの未知の霊長類種の存在を可能性のあるものとした」
となりますが、主語は it = the scientist's discovery なので
「(その発見によって)その原生林のジャングルでの未知の霊長類種の存在が可能性のあるものとなった」
と無生物主語を意識して工夫できるとパーフェクト!!
したがって、上記の訳をつなげると、今回の全訳は以下のようになります。
【今回の課題文の和訳解答例】
「その科学者の発見は必ずしも動物界における新種の明らかな証拠になったわけではないが、その発見によってその原生林のジャングルでの未知の霊長類種の存在がまさに可能性のあるものとなった」
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を添削していきます。
また今回は質問テーマとして
「これまでの人生でやっておいて一番よかった経験は何ですか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
KAKIKEKOJIさん
>その科学者の発見は動物世界において新種の明白な証拠に
>必ずしも必要ということではなかったけれども、
>原始時代のジャングルの中において、未知の霊長類が存在した可能性を示した。
not necessarily は「必ずしも…というわけではない」という部分否定の用法です。
なぜか necessary「必要な」という意味が訳出されているので注意しましょう。
necessary と necessarily はそれぞれ形容詞と副詞で意味が異なります。
>中学・高校と野球部に所属した経験です。
>強くはなかったですが、チームメイトとの繋がり、
>目標に向かって努力することの大切さを学んだと思っています。
個人でやるのとは違い、チームで何かに取り組むときは協調性や周りを見る力などが求められますよね。
団体競技ではそういう能力が養われそうです。
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【2】
ぽこあぽこさん
>その科学者の発見は必ずしも動物界において新種であるいう明白な
>証拠ではなかったが、その発見は原始のままのジャングルで
>未知の霊長類種の存在を可能にさせました。
「その発見は~を可能にさせた」という日本語は少しぎこちないですよね。
この possible は「可能性がある;あり得る」と訳すとしっくり当てはまるでしょう。
そして、主節は無生物主語構文なので
「その発見によって~は可能性があるものとなった」
と工夫できると better!!
>音楽の勉強です。今も続けていますが、
>音楽を通していろんな世界を見ることができますし、
>歳をとっても楽しむことができます。
音楽は生涯ずっと楽しめる趣味ですよね。
私も音楽系の趣味を1つ持ちたいです。
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【3】
リアルカンテイさん
>その科学者の発見は必ずしも動物界の新種の発見ではなかったが、
>初期のジャングルに未知の霊長類の種が存在し得たことを証明した。
explicit「明らかな;明白な」の訳が抜けています。
また、pristine jungle は「原生林のジャングル」です。
主節の make は make O C「Oを~の状態にする」の用法で、Oに当てはまるのは、the existence ~ jungle、Cに当てはまるのは possible となります。
この構造を踏まえて訳し直してください。
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【4】
mizさん
>その科学者の発見は必ずしも野生の王国における新しい種の
>明白な証拠ではなかったにも関わらず、このことは手付かずの
>ジャングルで未知の霊長類種の存在を可能とした。
animal kingdom の訳し方に注意してください。
kingdom には「王国」という意味もありますが、「~界」という意味にもなります。
つまり animal kingdom は「動物界」となります。
他にも plant kingdom「植物界」、mineral kingdom「鉱物界」などで使われたりします。
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ということでまだ紹介できていない分も含めて、木曜日発行の【添削篇2】で引き続き添削していきますね!
また、メルマガ誌面とは別に公式Twitterでも間違いをシェアできそうな投稿には添削指導をしています。
あなたの投稿が添削されるかもしれないので、Twitterをフォローしてくださいね!!
編集後記
前回のメルマガでちょこっと触れたのですが・・・
10月に入り、今年もあと3ヶ月。
…えっ、もうあと3ヶ月??
そんなわけで、残り3ヶ月もあっという間に過ぎていきそうな予感です。
年々、一年が早くなっていくなぁ。。。
さて、10月の大ニュースと言えば、消費税が10%となりましたが、今のところ当社の添削講座の価格は据え置きです。
“春入試に向けて短期集中で結果を出したい方”
“来年の秋入試に向けて長期でゆっくり力を付けたい初学者の方”
などなど、この時期の受験生は背景がさまざまですが、今がチャンスであることは間違いありません!!
お得な今のうちに講座をスタートしてみてくださいね。
次は10月10日(木)の【添削篇2】でお会いしましょう。
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一緒にがんばりましょう!!