5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1728号
まぎらわしい比較表現の覚え方 添削篇2
配信日:2020年03月26日
こんにちは。
デルタプラスの湯川彰浩です。
日本の芸能人も、何とあのチャールズ皇太子もコロナに罹患されたようです。
ここが踏ん張り時で試されているのかも…。
桜のきれいなシーズンなので、ついつい外出したくなりますが、私も今週末は我慢することにします!
大変な状況が続きますが、今やれることをがんばりましょう。
さて、今回も前回に引き続き、今回もこの課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきます。
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を前回に引き続き添削していきます。
先週は「まぎらわしい比較表現の覚え方」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
with increased stability and opportunity.
また今回は質問テーマとして
「今年の東京オリンピックはどうなると思いますか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
mintmomoさん
>世界では、少なくとも数百万人もの人々が、社会にさらなる安定性と
>機会を提供するために、利他主義という理由に基づいた
>慈善事業への寄付に打ち込んでいる。
providing our society with increased ~ の箇所は付帯状況の分詞構文です。
ですから接続詞 and を補って、
and provide our society with increased ~
と考えてください。
和訳は「…を提供するために」ではなく「そして、~を提供している」となります。
>多分、1年後に延期になるでしょう。今年に照準を合わせて
>頑張ってきた選手の皆さんには、大変気の毒なことですが…。
まさにそうなりましたね。
今夏に向けて懸命に調整してきたアスリートの苦労を思うと
本当にお気の毒です。
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【2】
ぶらさくさん
>世界では、せいぜい何百万かの人々が、
>愛他主義のために慈善活動に貢献しているが、
>この活動は我々の社会の安定性と機会の増加を提供している。
not less than は「少なくとも」という意味。
not less than millions of people は「少なくとも何百万人もの人々が」ということです。
「せいぜい」は not more than ですね。
「せいぜい」だと「多くてもこのくらい」と数の少なさを示すニュアンスになってしまいます。
ややこしいので、両者を区別しておきましょうね。
>私は延期すべきであると考えます。
>いくら事前に入念に準備して来たとは言え、
>やはり人の健康と命には変えられません。
>政府は躍起になって開催しようとしていますが、
>こればかりはトランプさんの言う通り、延期が懸命な判断だと思われます。
人命には代えられませんからね。
もしかしたら、IOCから最初に言ってくれないと、日本政府から提案したくても、言えなかったのかもなとも思っています。
今のオリンピックは闇が深そう…(汗)。
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【3】
菫さん
>世界では、少なくとも何万人もの人々が自分自身を愛他主義の信条に
>基づいた慈善的寄付に捧げ、そして、我々の社会に安定性と好機の
>増大をもたらしている。
dedicate themselves to ~ の訳し方に注意。
oneself は「再帰代名詞」と言います。
この再帰代名詞を含む動詞表現で「~自身を」と訳出すると不自然になります。
dedicate oneself to ~ は「自分自身を~にささげる」→「~に専念する」と訳しましょう。
>比較級の用法をだいぶ忘れていたので、
>今回のメルマガを機に参考書で復習しようと思いました。
>湯川先生は感染対策などは何かされてますか?
>体調に気をつけて頑張って下さい!
私は手洗い、うがい、不要な外出を控えるようにしています。
あとはちゃんと自炊して栄養を摂る、ですかね。
菫さんも体調に気をつけて乗り切ってくださいね。
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【4】
バンビさん
>世界中で100万人もの人々が奉仕活動に基づいた慈善事業への
>寄付を行っており、それは私たちの社会をより堅強に、
>より可能性あるものとしている。
millions と複数形になっているので millions of people は「何百人もの人々」となります。
「百万人の人々」なら、a million people となるでしょうね!
また、altruism は「利他主義」という意味です。
難しい単語ですが、覚えておいてください。
>ヨーロッパに住んでいるのですがよく行くご飯屋さんも今週から
>政府の命令で閉めねばならず、ホームページで寄付を募っていました。
>政府はこういう個人経営のお店等に対して経済援助を行うとしていますが、
>ご飯屋さんがつぶれたらいやなので寄付をしようかと思っています。
>5月末に大阪である高校の同窓会も開催されるのかどうか、
>されても参加できるのかどうか。。。
>予定が立てられない毎日ですが、気持ちいい季節になりましたし、
>前向きに生活しようと思います。湯川先生もご自愛ください。
飲食店は厳しい状況が続きそうですね。
お気に入りのお店がつぶれないように私も何とか力になりたいのですが・・・。
この騒動が明けたら、たくさん通おうと心に決めています!
5月の同窓会も難しいようであれば、日程を変更するなどして、開催されるといいですね。
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【4】
S&Kさん
>世界では、何百万人もの人々が、自己犠牲の精神で、私たちの社会に対して、
>ますますの安定と機会を提供すべく、社会貢献活動を捧げている。
cause の訳し方が難しかったのでは?
この場合は「大義」や「信条」といった訳語をあてておきましょう。
cause にこんな意味があるなんて驚きかもしれません。
また、dedicate oneself to ~ は「~に専念する;~に打ち込む」という意味ですよ。
>夏までにコロナを収束させて、「人類はコロナに勝利した。
>さあオリンピックだ!」という、秋開催というストーリーが、
>選手や観客、経済活動において望ましいな。
>そもそも、酷暑のオリンピックって、選手ファーストではないよね!
今の日本で真夏のオリンピックってこと自体がそもそも無理がありますよね。
おそらく来年の開催となりそうですが、何より選手ファーストで運営してほしいです。
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今回の添削指導はいかがでしたか?
メルマガで紹介しきれなかった投稿は、
十分に出来のよいものであったり、
他の方と同じような間違いをしているものです。
よくある間違いや工夫した訳し方を共有することで、
次回に生かすようにしましょうね。
公式ツイッターでは、今回の投稿和訳で間違いをシェアできそうなものを添削指導しています。
*SDATA1*さんの投稿が添削されるかもしれないので、ツイッターをフォローしてくださいね。
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今回の秀作 ~この和訳投稿が今回のNo.1~
今回もたくさんの和訳投稿をありがとうございました!!
その中から編集部が厳選したNo.1の和訳投稿はこちらです。
しゃんたくさん
>世界では少なくとも何百万人もの人々が利他主義の意義に基づいて
>慈善寄付に尽力し、社会にさらなる安定と機会をもたらしている。
今回のテーマである not less than をきちんと訳せていますし、訳しづらい cause も文脈を読み取って訳語を工夫することができています。
さらに、providing our society ~ からはじまる付帯状況もきちんと捉えていますね!
複雑な英文でしたが、よくがんばりましたね。
というわけで、今回のNo.1とさせていただきます!
それでは次回も皆さんからの、力の入った投稿和訳をお待ちしています。
編集後記
コロナの影響で時間ができたせいか、本を読む人が増え、書店の売上が好調のようです。
もしかしたら、昨今の本離れ、活字離れというのは非正規雇用の増加による労働時間の増加や低賃金化が一因だったのかも……
なんて意見もささやかれています。
要するに、忙しすぎてゆっくり本を読む暇なんてなかったのかもしれません。
確かに仕事や家事でヘトヘトになってるのに、さて本でも読もうかな、とはならないかも(笑)。
ですからここ数年は、スマホでパパっと遊べるとか、ダウンロードして手軽にできるとか時間をかけなくてもよいインスタントなものが着目されていましたよね。
それはそれで便利で良いとは思うのですが、コロナ収束後は本当の意味で生活や人生の質を豊かにしてくれることに時間をかけるそんな方向にシフトしていきそうな気もしています。
自分と向き合う機会を増やす家族や大切な人との時間を大切にするテレワークを交えて効率的かつ柔軟に働く
そうしたスタイルが模索されていくかもしれませんね。
何にせよ本づくりに関わるものとして、本を読む人が増えてくれるのは嬉しいです!
次は3月30日(月)の【解説篇】でお会いしましょう。
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