5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1723号
than ではなく to を使う比較級 添削篇1
配信日:2020年3月9日
こんにちは。
デルタプラスの湯川彰浩です。
前回のメルマガで出題した課題文はいかがでしたか?
たくさんの投稿をありがとうございました!
今回は課題文の解答を説明し、皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきますね。
課題文の解答・解説
先週は「than ではなく to を使う比較級」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
この英文は全体で倒置が生じています。
Behind the robust sales ~ equipment は Behind という前置詞ではじまるので、この部分が主語にはなり得ませんよね?
本来は
a growing number of those ~ trains が主語になるのですが、Behind the robust sales ~ equipment の部分が文頭に置かれることで倒置が生じているのです。
というわけで、倒置による文構造の変化を踏まえた上で見ていきましょう。
Behind the robust sales of telecommunication equipment は robust「堅調な」に気をつけて訳すと
「通信機器の堅調な売上の背景に」
となります。
主語の a growing number of those who は those who … が「…する人々」の意味となるので、「…する人々の(数の)増加;ますます多くの…する人々」となります。
もしくは
「…する人々が増加している」
と一文のように訳してもいいでしょう。
prefer A to B は「BよりAを好む」でしたね!
A = the safety of working from home
B = the potential infection risk of packed commuter trains
という構造を読み取りましょう。
the safety of working from home は「在宅で働く安全性」となります。
一方で、the potential infection ~ trains は the potential infection risk of ~ が「~の潜在的な感染リスク」。
packed commuter trains は「満員の通勤電車」。
ということで、
「満員の通勤電車の潜在的な感染リスク」
となります。
prefer A to B に当てはめるて
「満員の通勤電車の潜在的な感染リスクよりも家で働く安全性をよしとする」
くらいに訳しておきましょう。
したがって、上記の訳をつなげると、今回の全訳は以下のようになります。
【今回の課題文の和訳解答例】
「満員の通勤電車の潜在的な感染リスクよりも在宅で働く安全性をよしとする人々の増加が通信機器の堅調な売上の背景にある」
もしくは Behind を含む前置詞句から訳し始めるのであれば、
「通信機器の堅調な売上の背景には、満員の通勤電車の潜在的な感染リスクよりも在宅で働く安全性をよしとする人々が増えていることがある」
としてもいいでしょう。
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を添削していきます。
また今回は質問テーマとして
「自分の性格や特徴を動物にたとえると何ですか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
ぽこあぽこさん
>通信機器の堅調な販売の背後で、ますます多くの人々が
>満員電車の潜在的な感染リスクより在宅勤務の安全性を
>より好んで選んでいます。
英文の構造自体は読み取れています。
ただ、Behind を「背後」ではなく「背景には」とするともっと自然になります。
prefer は「好んで選ぶ」とするより、「~をよしとする」「~を選ぶ」とすっきりと訳すといいでしょう。
>わがままなので猫に似てるのかな。
>私は根気強さが自慢なのですが
>猫は根気強さあるのかしら?
猫って根気強いんですかね??
瞬発力はあるんですが、すぐ疲れちゃうイメージがあります(笑)。
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【2】
Kanaさん
>通信機器の堅調な売り上げの背景には、満員電車通勤による
>潜在的な感染リスクより在宅勤務を好む人の増加がある。
packed commuter trains は
「満員の通勤電車」となります。
「満員電車通勤」とは微妙に意味が異なるので注意。
working from home を「在宅勤務」と文脈を読み取って訳せているのはGOODです!
でも、the safety of の訳が抜けているので気をつけて。
>何年振り?というほど久し振りの投稿です(笑)
>work from という使い方をするのを初めて知った気がします。
おかえりなさい(笑)。
海外では work from home という言い方をよくするそうですよ。
ここで from を使うという感覚が日本人にはないですよね。
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【3】
へのへのもへいさん
>満員の通勤電車に潜む悪影響を及ぼす危機の数よりは、
>在宅勤務の方が安全だとしてこれに関連する
>遠距離通信設備機器の売り上げが、凄まじい勢いで伸びている。
「危機の数」の「数」にあたる語句は英文にはありませんね。
the potential infection risk of ~ は「~の潜在的な感染リスク」という意味です。
「これに関連する」も英文にはありません。
いろいろな語句を補って何とか仕上げていますが、そもそもの英文の構造を読めていないので、まずは何が主語で動詞なのかを落ち着いて見極めましょう。
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【4】
ryoyamaさん
>通信機器の堅調な販売の背後には 満員の通勤電車に押し込まれる
>潜在的な感染リスクよりも在宅勤務の安全性を好む人々の増加がある
packed commuter trains の packed は形容詞として commuter trains「通勤電車」にかかっている構造です。
なので、「満員の通勤電車」とするのがより英文に沿っていることになります。
>なまけものです。
>その名の通り、自分に甘くなまけてばかりです。
>なんとかせねばとビジネス本を読んで試してみようとしますが、
>だいたい3日坊主です。
>その中でもこのメルマガの確認は続けられているので
>引き続き頑張りたいと思います。
このメルマガだけは3日坊主にならなかったなんて、なんだか光栄です。
週に2日、ちょっと頭を働かすくらいがちょうどいい間隔なのでしょうね。
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ということでまだ紹介できていない分も含めて、木曜日発行の【添削篇2】で引き続き添削していきますね!
また、メルマガ誌面とは別に公式Twitterでも間違いをシェアできそうな投稿には添削指導をしています。
あなたの投稿が添削されるかもしれないので、Twitterをフォローしてくださいね!!
編集後記
いよいよ明後日は新刊『教養としての心理学101』の印刷所さんへのデータ入稿日。
ということで、その日までに完全なデータに仕上げる必要があります。
まさに先週からずっとその作業に追われています。
原稿は読めば読むほど、ここも直したいな、いやここは直さない方がいいなと気になる箇所が出てくるもの。
そうした箇所を1つでも少なくし、どこまで完成度を上げられるかの勝負です。
今回も良質で納得の出来の本になりましたし何より表紙がスタイリッシュ。
通勤電車でさっと懐から取り出すとかっこよく洗練された感じに見られるように、表紙やカバーもこだわりました!!
大学の授業で使われる教科書や概論書から、教養として使える心理学の知識を抽出し、わかりやすく再編した一冊です。
次は3月12日(木)の【添削篇2】でお会いしましょう。
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