5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1695号
接続詞の役割を意識して読解する 添削篇1
配信日:2019年11月18日
こんにちは。
デルタプラスの湯川彰浩です。
前回のメルマガで出題した課題文はいかがでしたか?
たくさんの投稿をありがとうございました!
今回は課題文の解答を説明し、皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきますね。
課題文の解答・解説
先週は「接続詞の役割を意識して読解する」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
全体は Although keeping us sanitary deserves admiration という副詞節と、the excessive use of ~ の主節で構成されています。
接続詞 Although は「…だが、~」という逆接の意味。
主語は keeping us sanitary という分詞句で「私たちを衛生的にしておくこと」という意味になります。
keep O C で「Oを~の状態にしておく」という用法がありますよね!
sanitary は「衛生的な」という意味の形容詞。
deserves admiration は「称賛に値する」。
つまり Although 節の訳は
「衛生的にしておくことは称賛に値するが」
となります。
次に主節を見ていきましょう。
the excessive use of chemical disinfectants は chemical disinfectants が「化学消毒剤」という意味なので、「化学消毒剤の過度の使用」というのが直訳です。
ですが、ここは名詞のかたまりである名詞構文だと考えられますので、
「化学消毒剤を過度に使用すること」
と一文のように訳せると自然です。
makes us more subject to ~は make O C で「Oを~の状態にする」という用法が使われています。
ということはこの subject は形容詞扱いだとわかります。
subject to ~ は「~を受けやすい;~にさらされる」という意味があります。
a variety of illnesses は「さまざまな種類の病気」。
ということで、主節の訳は
「化学消毒剤を過度に使用すると、さまざまな種類の病気によりかかりやすくなる」
となります。
したがって、上記の訳をつなげると、今回の全訳は以下のようになります。
【今回の課題文の和訳解答例】
「衛生的にしておくことは称賛に値するが、化学消毒剤を過度に使用すると、さまざまな種類の病気によりかかりやすくなる」
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を添削していきます。
また今回は質問テーマとして
「あなたは気分を上げたいときに何をしていますか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
へのへのもへいさん
>私たちが衛生的に保つ事はとても素晴らしい事だが、
>行き過ぎた殺菌剤の使用でいろんな病気を引き起こしている。
more subject to ~ の訳し方に注意。
more は比較級なのだから「より;さらに」となります。
subject to ~ には「~を受けやすい;~にさらされる」という意味があるので、「病気によりかかりやすくなる」と訳すといいでしょう。
>毎回苦戦の連続です。
>日本語にすると文脈がおかしくなる時は無理せずパスしています。
パスしたくなる気持ちもわかりますが、間違いを気にせずにチャレンジしてみてください。
その方が上達していくはずですよ。
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【2】
jimさん
>私達は衛生を保つことは賞賛に値するが、科学的消毒薬の使い過ぎが
>我々の主題である様々な病状を作ります。
subject を名詞と解釈して「主題」と訳してしまったようですね。
subject には形容詞の用法もあります。
ここは make O C の用法で、C に当たるのが more subject to の部分なので、この subject は形容詞だと捉えましょう。
>気分を上げたいときは気分転換に外に出て
>太陽の光りを浴びながら軽い運動をして、美味しい物を食べます。
適度な運動と美味しい食事。
すごく健康的ですね!
なんだかんだで集中力を高めるのはそれが一番かも!?
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【3】
r-tamuraさん
>衛星的に保ってくれることは称賛に値するが、化学性の消毒液を
>使いすぎるといろいろな病気にかかりやすくなる。
「衛星」ではなく「衛生」ですね。
一文字違うだけで意味が全然違うので注意です。
keeping us sanitary の動名詞句ですが、「保ってくれる」というよりは「保つ;保っている」という意味なので「衛生的に保つことは」でいいでしょう。
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【4】
Ivanさん
>私達を衛生的に保つことは賞賛に値するが、過度な化学消毒剤利用は
>私達を様々な病気にさらされやすくする。
「過度な化学消毒剤利用は~をしやすくする」
というのは無生物主語そのままなので、「化学消毒剤を過度に使用することで」としてみてはどうでしょうか?
この箇所は名詞のかたまりである名詞構文なので、excessive を副詞的に、use を動詞的に訳すのがコツです。
>筋トレですかね。
>40代になり筋肉も落ち始めるので部位を考えながらトレーニングすると、
>体型の変化に「おっ!」と思う事があり、続けています。
私もジムで筋トレしていますが、トレーニングしている部位を意識するのがいいらしいですね。
でも、それって大変なんですよね。
こっちは筋トレするだけでも精一杯なのに(笑)。
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ということでまだ紹介できていない分も含めて、木曜日発行の【添削篇2】で引き続き添削していきますね!
また、メルマガ誌面とは別に公式Twitterでも間違いをシェアできそうな投稿には添削指導をしています。
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編集後記
昨日簿記検定の試験があったようですが、簿記2級の試験の大問の1つが難易度が高すぎたらしく、SNSが荒れていたみたいですね。
これまでセンター試験でもたまにあったのですが、「奇問」の部類に入る問題がたまに出題されることがありますよね~。
大学入試とかならわかるんです。
だって定員が決まっていて、人選するための試験ですからね。
でも、こうした検定試験やセンター試験で奇問を出す意味ってあるんでしょうか?
受験生が不憫すぎるし、問題の検閲体制とかどうなっているかなって疑いたくなります。
大学院入試の英語ではあまり奇問って聞いたことないのは、出題された長文英語を読解して、正しく和訳できるかどうかというシンプルな能力が求めれているからかも。
でもその英文自体が難しかったりするので、一筋縄では行かなかったりするんですけどね。
というわけで、春入試まであと3ヶ月。
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次は11月21日(木)の【添削篇2】でお会いしましょう。
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