5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1667号
原級・比較級を使って最上級を表現する 添削篇1
配信日:2019年8月5日
こんにちは。
デルタプラスの湯川彰浩です。
前回のメルマガで出題した課題文はいかがでしたか?
たくさんの投稿をありがとうございました!
今回は課題文の解答を説明し、皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきますね。
原級・比較級を使って最上級を表現する
先週は「原級・比較級を使って最上級を表現する」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
まずは Nobody feels as happy as those who まで見ていきましょう。
主語の Nobody は「誰も…ない」という全体否定を導く表現。
それが as happy as という原級表現と一緒に使われているわけですから、今回の学習テーマでもある
「最上級の意味になる」
ということですよね?
those who は「…する人たち」という意味なので、
「…する人たちと同じくらい幸せを感じる人は誰もいない」
→「…する人たちが最も幸せを感じている」
となります。
of their own volition は挿入句で、「自らの意志で;自ら進んで」という決まり文句。
their は those を受けているので、複数扱いになるわけです。
次に、who 節の構造に注意してください。
(1)give away something for others
(2)improve their self-esteem
(3)gain a sense of fulfillment
という3つの【動詞+目的語】が続いている文構造に気づけましたか?
この3つの部分が A, B and C「AとBとC」で結ばれているわけですね。
and がこの構造を読み解くヒントになります。
give away は「~を与える;~を寄付する」などの意味があります。
improve their self-esteem は「自己肯定感を高める」。
self-esteem を「自尊心」と訳してもいいですが、improve の訳し方は工夫が必要ですね。
a sense of fulfillment は「充足感」となります。
つまり、
「自らの意志で他人に何かを与え、自己肯定感を高め、充足感を得ている人たち」
となるわけですね。
したがって、上記の訳をつなげると、今回の全訳は以下のようになります。
【今回の課題文の和訳解答例】
「自らの意志で他人に何かを与え、自己肯定感を高め、充足感を得ている人たちが、最も幸せを感じている」
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を添削していきます。
また今回は質問テーマとして
「あなたは夏休みの宿題をきちんとやっていましたか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
KAKIKEKOさん
>自分自身の意志を他人のために捧げることや、自己評価を改善すること、
>そして、達成感を得ることが最大の幸福感を味わえることである。
Nobody と those who という人同士が比較されているわけですから、
「~する人が最も幸せを感じている」
と訳しましょう。
また、この場合の self-esteem は「自己肯定感」くらいに訳せるといいですね。
>夏休みをたっぷり遊ぶために、漢字ドリルと計算ドリルを2日でやり切ったら、
>親から怒られて、全部消して、計画的にやり直しさせられたことがあったなー。
えー、はやく仕上げて怒られるっていうのも何だか理不尽ですね(笑)。
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【2】
たかたかさん
>他人に自ら何かを与えられる人ほど幸せな人はいない。
>自尊心を高め、充実感を得られるのだから。
improve の前で一度訳を区切っていますね。
ですが、give away something for others
improve their self-esteem
gain a sense of fulfillment
の3つは並列の関係で and で結ばれています。
なので、improve の前でこんな風に区切ることはできませんよ。
>とにかく勉強が大嫌いで、早く終わらせようと最初の2~3日は頑張るのですが、
>それ以降は全く手を付けず、夏休み終盤ギリギリに急いで終わらせてました。
>子供の頃なんて、有り余るほど時間もあって、親にお金まで払ってもらって、
>もっと勉強しておけば良かったなぁ…、
小学生の頃はあんなに1日が長く感じたわけで、今思えば習い事も含め、いろいろやっておけば良かったなぁと思います。
ま、みんなそんな感じなんでしょうね(笑)。
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【3】
キンキンさん
>他人のために何かを与えたり、自尊心を向上させたりして、
>充実感を得る人達がもっとも自分の意思で幸せな気分にります。
of their own volition を Nobody feels as happy as にかかるように和訳されていますね。
ですが、those who 以降に置かれているので、who 節の give away something for others にかかると考えるのが自然ですよ。
>夏休みの宿題はほぼやってなかったてすね(笑)。
>工作みたいなものだけ気合い入れてやってた記憶があります!
あー、私は逆に工作が嫌いでしたね。
夏休みの工作って興味がわかないものばかりで…。
なのでギリギリまで放置していました(汗)。
-------------
【4】
ぽんぽこさん
>自身の意志で、他人に何かを与え、自尊心を向上させ、
>達成感覚を得る者と同じくらい幸福を感じる者はいない。
文脈はきちんと理解できているので、今回の学習テーマに則り、
「~する人たちと同じくらい幸せを感じるものはいない」
→「~する人たちが一番幸せを感じる」
と最上級のように書き換える和訳にチャレンジしてみてくださいね!
>親に、宿題を終わらせたら遊園地などの遊ぶところに
>連れて行ってあげるよと言われ、それを動機に頑張って、
>早めに終わらせていました。
そうそう、目の前にご褒美をチラつかされると自分でもびっくりするくらい頑張れるんですよね~。
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ということでまだ紹介できていない分も含めて、木曜日発行の【添削篇2】で引き続き添削していきますね!
また、メルマガ誌面とは別に公式Twitterでも間違いをシェアできそうな投稿には添削指導をしています。
あなたの投稿が添削されるかもしれないので、Twitterをフォローしてくださいね!!
編集後記
今週末からお盆休みに入りますね。
帰省、旅行、受験勉強などなど、どのように過ごされるのでしょうか?
先日、本の仕事を手伝ってもらっている友人と Skypeで打ち合わせをしていたのですが、この酷暑を乗り切れるように栄養つけたいね、みたいな話になって、
「次の本が出来たら、うなぎ食べて打ち上げしよう!」
とまとまりました。
・・・あ、次の本が出る頃には夏とっくに終わっているんですけどね(笑)。
いいんです。
そういうご褒美があった方が前向きにがんばれたりするものです!
次は8月8日(木)の【添削篇2】でお会いしましょう。
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一緒にがんばりましょう!!