5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1652号
動詞+名詞=動詞になる? 添削篇2
配信日:2019年6月13日
梅雨入りし、肌寒い日が続きます。
そして低気圧のせいか腰を痛め、プチぎっくり腰状態です。
そんな中で出張が入っているのですが、いやはや大丈夫なんでしょうか。。。
私にも分かりません!!(笑)。
それでは前回に引き続き、今回もこの課題文に関して
皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきます。
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を前回に引き続き添削していきます。
先週は「動詞+名詞=動詞になる?」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
また今回は質問テーマとして
「あなたの好きなご当地土産は何ですか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
Beaconさん
>イギリス国内で一度提供された、特定ウィルスを利用した治療法、
>それは、私の母の体内にいた悪性細菌の増殖を抑えるのに働き、それにより、彼女は命拾いした
「それは」「それにより」と短い和訳の中に指示語が2つもあり少し分かりづらい和訳になっていますね。
最初の「それは」を省略し、「~利用した治療は私の母の体内にいた…」とすればいいでしょう。
「それにより」も必要なく、and を「そして」と訳せばいいはずです。
>出身地名古屋の海老せんべい「ゆかり」です。
>美味しいですが、値段はかわいくないです。
>両口屋の二人静も、オススメです。
>しかし喜ぶのは60歳以上の大人かも。
海老せんべいは初めて知りました。
親戚のおじさんやおばさんへのお土産にしてみますね。
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【2】
紅茶ゼリーさん
>かつてイギリスで提案された特定のウイルスを利用するその治療は
>母の体内で増殖する悪性の細菌を抑制する一因となった、
>そして彼女は死へ至る狭い道から脱出した。
「死へ至る狭い道」とは何なのか?
このままでは意味が分かりにくいですよね。
have a narrow escape で「九死に一生を得る;間一髪で助かる」という意味になりますよ。
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【3】
若林さん
>以前イギリスで用いられた特定のウイルスによる治療法は
>患者の体内で悪性細菌の増加抑制に効果を発揮し私の母は九死に一生を得た
「患者の体内で…」とありますが、「患者」を指す patient のような単語は使われていません。
in my mother's body とあるので、「母の体内で」と訳しましょう。
続く she ももちろん my mother を受けています。
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【4】
kayyacさん
>特定ウイルスを利用している治療法によって、このウイルスはかって
>英国で採用されたのだが、わたしの母の体内にいる悪性バクテリアの増加が抑えられ、母は命拾いした。
「かって」は「かつて」の間違いでしょう。
contributed to のニュアンスが反映できていないので、素直に「~を利用するその治療は」と主語を訳し、「~に寄与した」と contributed to の部分を訳すと読みやすくなるはずです。
>きしめんとういろうです。
>名古屋に行った場合は必ず買って帰ります。
どこの銘柄が美味しいのでしょうか?
現地では食べたことがあるのですが…。
まだまだ名古屋はリサーチ不足です(汗)。
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【5】
PIEZOさん
>かつて英国で提唱された特別なウイルスを用いたその治療法によって、
>母の体内で悪性のバクテリアの増殖を抑えこむことができたため、
>母はかろうじて死を免れることができた。
「抑えこむことができたため」とありますが、「~したため」という理由を示す接続詞はどこにも使われていませんよね?
和訳の流れ的にそう補いたくなるものわかりますが、原文に忠実にand でつなげて訳しましょう。
>東京駅のプレスバターサンドがいいです。
>バターリッチで濃厚な味が気にいってます。
これですかね。
かなり美味しそうなので、今度お土産に買ってみます!!
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【6】
jimさん
>一度英国に提供された特別に処理されたウイルスは母親の胎内で
>増殖する悪玉バクテリアを抑制に貢献する、そこで狭い死から退避出来た。
once offered in the UK は「かつてイギリスで提供された」という意味。
また、この部分は The treatment「その治療」を修飾しているという文構造を捉えてくださいね。
また、「~を抑制に貢献する」と訳すなら、その後は「、」ではなく「。」を打ちましょう。
>その土地独特の気候とその土地の何代もの
>人々の長年の努力で育むまれた大地の恵み
もちろん、気候や食べ物は楽しみの1つですね。
ただ、これはご当地「土産」……なんでしょうか?
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今回の添削指導はいかがでしたか?
メルマガで紹介しきれなかった投稿は、
十分に出来のよいものであったり、
他の方と同じような間違いをしているものです。
よくある間違いや工夫した訳し方を共有することで、
次回に生かすようにしましょうね。
公式ツイッターでは、今回の投稿和訳で間違いをシェアできそうなものを添削指導しています。
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今回の秀作 ~この和訳投稿が今回のNo.1~
今回もたくさんの和訳投稿をありがとうございました!!
その中から編集部が厳選したNo.1の和訳投稿はこちらです。
tahara hirokoさん
>特殊なウイルスを利用する治療法は、かって英国で提案されたもので、
>私の母の体内で悪性バクテリアの増殖を抑制するのに役立ち、母は間一髪で死を免れた。
この方の和訳のように、once offered in the UK を主語の後に訳してもその修飾関係が明確であればいいでしょう。
また、contributed to や had a narrow escape などの間違いやすいところも文脈を踏まえて訳せています。
よくがんばりましたね!
ということで、今回のNo.1に選ばせていただきます。
おめでとうございます!!
それでは来週も皆さんからの、力の入った投稿和訳をお待ちしています。
編集後記
先日の金融庁の報告書にはびっくりしましたよね。
退職後の夫婦が95歳まで生きるには年金とは別に2000万円の貯金が必要となるということでした。
要は年金だけじゃ足りなくなるから2000万円は自助努力でなんとかしてください
ってことですよね?
しかもこれは今の話で、私が老後を迎えるときにさらに平均寿命が延びていたとしたら……。
批判を受けて、慌てて政府はこの報告書を撤回しましたが、まぁ、報告書の内容はわりとリアルで、足りない分は自分で何とかしてねっていうのが、政府の本音でしょう。
実質「年金制度はほぼ破綻します」と言っているようなものだなぁと。
でも、私の世代以下は本気で年金を十分にもらえるとは思っていない人が多いと思います。
周りで楽観的な意見なんて聞いたことないですしね。
私自身は仕事をすることは好きなので、できる限り働いていたいなと思っています。
おそらく私が老後を迎える頃は年金はほぼもらえない、働くのが当たり前で、「老後」という概念自体が変わってそうですね。
老後を「●●キャリア」とか政府が名付けて、65歳を超えても生き生きと元気に働き、若者に負けない充実した生活を!!
みたいな感じになっていることに一票(笑)。
次は6月17日(月)の【解説篇】でお会いしましょう。
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