5分でマスター!英語和訳のノウハウ 第1648号
語句の言い換えを意識せよ 添削篇2
配信日:2019年5月30日
早くも5月も明日まで。
あと1週間もすれば梅雨入りですかね?
雨の日は読書が思いのほか進むので、6月は個人的に読書月間にします。
それでは前回に引き続き、今回もこの課題文に関して
皆様からお寄せいただいた和訳投稿を添削していきます。
課題文添削 ~読者の投稿和訳を添削指導~
このコーナーでは、前回出題した課題文に関して皆様からお寄せいただいた和訳を前回に引き続き添削していきます。
先週は「語句の言い換えを意識せよ」というテーマで以下のような課題文を出題しました。
また今回は質問テーマとして
「あなたはこれまで世界遺産を訪れたことがありますか?」
もあわせて回答していただいています。
【1】
サクサクさん
>生物学者は、イワシは生存戦略として群れでの生活を続けていると
>主張しており、また群れで生活をすることは種を問わず一般的である。
The biologist contends that …
「生物学者は…ということを強く主張した」
の that 節がどこまでかを誤解されているようです。
and 以降の the tendency is common across species の節も that 節に含まれますからね。
等位接続詞の and が何と何をつないでいるのか?
それに着目しましょう。
>家族旅行で清水寺に行きました。京都には世界遺産として
>登録されているお寺が多くあるので、
>いつかすべて観に行きたいと考えています。
外国人には中でも伏見稲荷神社が一番人気みたいですね。
無数にある赤の鳥居が見た目的にも分かりやすくて印象的なのかもしれません。
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【2】
Beaconさん
>その生物学者は、鰯が群れをなして泳ぐ習性は、生き残るための戦術で、
>このような行為は、種の世界全般に普通の事であると、主張している。
are likely to adhere to a survival strategy
の部分をもう少し原文に沿って訳しましょう。
be likely to … は「…する傾向がある;…しやすい」。
adhere to ~ は「~に従う;~を守る」という意味です。
また、to keep living in schools は「群れの中で生き続けるために」。
keep …ing で「…し続ける」となります。
>トルコのパムッカレに行きました。
>写真通りの石灰棚で、美しいなぁと感じました。
>しかし、昨今の世界遺産ブーム、首をかしげる事もありますね。
>登録されると、ユネスコにお金支払い、
>観光客が突然増えたり、減ったり等。
>今回の大仙古墳で、日本の歴史再発見につながればいいなと思います。
トルコといえば「カッパドキア」は知っていましたが、
パムッカレは知りませんでした。
画像で見ると、とても幻想的ですね!
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【3】
Yanagi saeさん
>生物学者は次のような主張をしている。
>一般にイワシは生き延びる戦略として、まとまって生活ようとする習性がある。
>そしてこうした傾向はどの種であるかを問わず普通である。
contends that で一度和訳を区切ったわけですね。
「生活ようとする」は「生活しようとする」でしょうね。
common across species は「種を越えてよく見られる」。
common は「よく見られる;日常的な;一般的な」などいろんな意味がありますね。
>あまりそういう意識はありませんが奈良の法隆寺、
>京都の東寺などがそうですかね?たびたび訪れています。
>白神山地、屋久島など行ってみたいものです。
>フィレンツェもそうですかね?美術品の宝庫で歩くに良いところでした。
>また行ってみたいです。
白神山地、屋久島あたりは行ったことないんですよね。
屋久島の縄文杉は見るまでに相当歩くそうですね。
覚悟も求められる世界遺産(笑)。
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【4】
パスママさん
>その生物学者は、鰯は群の中で生き残る為に生存戦略にこだわり
>それを実行しているようであるが、その傾向は全ての種に
>共通するものだと主張している。
「生存戦略にこだわりそれを実行している」とありますが、「それを実行している」に当たる語句は英文中にありませんね。
「生き残り戦略に従う」としましょう。
be likely to … は少し訳しにくいですが、「…する傾向がある;…しやすい」といった訳語を当てはめるといいですよ。
>世界遺産に登録されるずっと前に宮島を訪れました。
>厳島神社の鳥居が海の中にある光景が、とても不思議に感じられました。
>いつか屋久島の縄文杉を見たいと思っていますが、
>10時間もの徒歩は無理かなぁ…
広島県、今観光客が激増しているそうですよ。
私も海に浮かぶ厳島神社を見てみたいです!
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【5】
リアルカンテイさん
>生物学者たちは、イワシが群れの中で生存することに
>生き残りをかけることに執着しているようで、
>この傾向は種族に及んでいるということを議論している。
訳語選びを少し工夫するとより精度が上がるはずです。
例えば、contends that …「…ということを強く主張する」
adhere to ~ は「~に従う」とすると、今回の文脈にマッチした訳になりますよ。
>いくつかの国内、国外の世界遺産を見てきましたが、
>それぞれに感慨深いものがありましたね。
>テロリスト達の破壊行為から守り、
>次の世代、さらに次の世代と受け継いでいきたいものです。
最近数が増えてきて少しマヒしていましたが、世界遺産に選ばれるだけでも実はすごいことなんですよね!
次世代にちゃんと残していかないとなぁと思います。
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今回の添削指導はいかがでしたか?
メルマガで紹介しきれなかった投稿は、
十分に出来のよいものであったり、
他の方と同じような間違いをしているものです。
よくある間違いや工夫した訳し方を共有することで、
次回に生かすようにしましょうね。
公式ツイッターでは、今回の投稿和訳で間違いをシェアできそうなものを添削指導しています。
*SDATA1*さんの投稿が添削されるかもしれないので、ツイッターをフォローしてくださいね。
デルタプラス公式LINEでは和訳のヒントを配信中。
今回の秀作 ~この和訳投稿が今回のNo.1~
今回もたくさんの和訳投稿をありがとうございました!!
その中から編集部が厳選したNo.1の和訳投稿はこちらです。
mizさん
>その生物学者は、鰯が群れの中で生きながらえるために
>生存競争を忠実に守ってるようであり、そのような傾向は
>生物種を越えて共通している、と強く主張している。
一つ一つの語句を丁寧に訳されているのが伝わる和訳です。
to 不定詞を副詞的用法で訳し、across species も前置詞 across の意味をきちんと踏まえて訳せていますね。
ということで、今回のNo.1に選ばせていただきます。
おめでとうございます!!
それでは来週も皆さんからの、力の入った投稿和訳をお待ちしています。
編集後記
来週から『シミュレーション英会話』の書籍を置いてくださる書店さんが全国でさらに増えそうです!!
しかも、今回から大学生協さんでも置いてもらえるようになったので、現役大学生の方は生協に行ってみてください。
POPを置いてくださる生協さんもたくさんあるようです。
著者の有子山(ROMY)先生描き下ろしのイラストが可愛いのでチェックしてみてくださいね!
そういえば、学生の頃は大学生協で本をよく購入していました。
確か生協の会員だと少し安くなるんですよね~(懐かしい)。
私は英文学を専攻していたので、岩波文庫の英米文学の翻訳本をよく購入していました。
あの素朴で、ある種そっけない装丁が、持っているだけで、勉強してるでしょ感が出ていた気がします。
…もちろん、ちゃんと読んでましたよ(笑)。
次は6月3日(月)の【解説篇】でお会いしましょう。
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